糖尿病の食事療法で大切なこと
糖尿病の食事療法というと、「砂糖なし」「低カロリー」「味がしない」などを思いがちです。以前は確かにそうだったのかもしれませんが、今は少し違います。
病院で栄養士に糖尿病の食事療法について教わると、以外にも「糖尿病では食べてはいけないものはないんです」と言われる。そんなはずはないと誰もが思う。
それでは糖尿病の人は食事では何に気をつければいいのか?
詳しい話は他の本やサイトにお任せして、簡単に申しますと・・・
・指定された一日の総カロリーを守る
・バランスよく食べる
これだけです。
ただし、できれば食べない方が良い食品はあります。皆さんがご存知のとおり、生活習慣病の敵といわれる"甘いもの"・"脂っこいもの"・"酒"です。これらのものは血糖値を急激に上昇させ、糖尿病のコントロールを不良にします。また、酒は逆に薬の効果を強めることがあるため、薬物療法をしている方は低血糖を招きやすくなります。
食欲のコントロール
自分の話しを少しします。
ある時期、自分は食事でストレスを発散していました。甘いもの・脂っこいものお構いなしで(というよりもそういったものを好き好んで・・・)、ただおなかが一杯になるまで・・・ 今考えると、それは立派な過食症という精神病だったのです。
今はあまりそういうことはありませんが、今度は空腹時に物を口にするとおなかが一杯になるまでいくらでも食べてしまうという癖がついてしまいました。これに対しては、手の届く範囲に食べるものを置かない、食べたくなったら何かに熱中することにしています。
糖尿病の人たちのほとんどは、甘いもの・脂っこいものが大好きです。今まで好きなだけ高カロリーのものを食べていたのに、糖尿病と診断されてから、入院などの何のきっかけなくして、急に食事を改められることは難しいのです。
結局、糖尿病治療の初期は食欲のコントロールが大事なのです。食欲のコントロールに取り組む為には、自分の行動を知ることが大切になってきます。例えば、ストレスが溜まった時にたくさん食べてしまう(やけ食いの多い)方の場合には、他のストレス解消方法を見つけたほうが良いのです。暇な時についつい食べてしまう人の場合には、目の見える範囲に食べ物をおかないことです。
隠れ食いを防ごう
隠れ食いというのは、人前から隠れて、密かに甘いものやカロリーの高いものを食べることを言います。食べた事実は変わらないのに、建て前だけ格好をつけるという、体にも格好も良いものではありません。
隠れ食いを防ぐ為には、甘いもの・脂っこいものを食べることを、比較的長い期間のなかでスケジュールにしてしまうことです。そうすることで、「○○日には甘いものを食べられるから、今日は頑張って我慢しよう」と目標ができます。最初はその間隔が短いかもしれませんが、少しずつ間隔を長くしていけばよいのです。
特に甘いものやカロリーの高いものが好きな人から、そのような好物を奪ってしまえば、最初はなんとか我慢できても、ある日その我慢が爆発して、暴飲暴食とつながるのです。1度暴飲暴食したものは、すぐにはもとの血糖値のコントロールには戻りません。注意しましょう。
こうして食事について書いていると、食事とストレスは大いに関係があることに気づかされます。ストレスをためない生活とストレスを上手に発散させる生活をおくることが大事であり、これは食事に関しても同じことです。
GI値の利用とその注意点
GI値という概念が低インスリンダイエットというもので、最近でてきました。このGI値というのは、食べ物100gを食べた時の、血糖値の上がり具合を表しています。ただし、低インスリンダイエット自体に関しては、医学的論文などでダイエット効果があるものとして発表されておらず、医学的に見て減量の効果は証明されていないのが実情です。
それでは、実際GI値を用いていく際の注意点を説明しましょう。
よく、血糖値を上げにくい低GI値の食べ物ばかりを食べればいいのかと思われがちですが、それはそれで問題があるのです。糖尿病の栄養指導でよく言われるのが、バランスよく食べましょうということ。低GI値のものばかり食べるのは、栄養の偏りを招きます。また、低GI値の食べ物=カロリーの低い食べ物ではありません。つまり、GI値は低くても、カロリーの高い食べ物があるのです。
つまり、GI値を3食で有効に利用していく為には、食品1品単位でGI値の低いものに交換していくことが大切なのです。例えば、あなたは天ぷらうどんを食べたくて、お店で注文しようとしています。これではややカロリー過多です。そこで、うどんをGI値の低いそばに変えることで、血糖値もカロリーも上昇を抑えられます。
結論としては、食事を摂る時には、カロリー・栄養バランス・GI値を総合して判断することが大切です。