インスリン注射を始めましょう！と言われたら・・・
1型糖尿病の患者や2型糖尿病で薬物療法を行っていても糖尿病のコントロールの悪い患者の場合は、インスリン注射が開始されます。けれども、いざインスリン注射を始めると言われると、非常に恐怖感を感じてしまいます。その背景にはインスリン注射に対する根強い誤解があるものといわれています。
- １．インスリンを打ち始めると、太るんでしょう？
- インスリンには脂肪をためるさようがありますが、実際に自分は主治医から太るということは聞いた事がありませんし、実際インスリン注射を始めてからも、さほど体重の変化はありません。
- ２．インスリンを1度打ち始めたら、一生打ち続けなければならないのでしょう？
- 1型糖尿病の場合は残念ながらそうなってしまいます。しかし、2型糖尿病に限っては、高血糖状態の是正や、今まで頑張ってきた膵臓を休ませる為の手段としてインスリン注射を導入しますので、高血糖状態が是正されれば、インスリン注射も中止されます。
- ３．低血糖で死んでしまうこともあるって聞いて、怖い！
- 低血糖状態を放置していたら死に至ることはあります。しかし、低血糖症状の初期の状態で適切な対応をしていれば、そのようなことはまず考えられません。自分もインスリンを打ち始めてから、低血糖症状を何回か経験しました。もちろんこれまで経験のないことですから、非常に怖い思いをしたのは事実です。しかし、低血糖を怖がらず、きちんとした知識と対応を学ぶことで大半の低血糖は初期の状態で治ります。また、軽い低血糖症状が出るくらいでないと、インスリンによる治療を行っている意味がないとも言われているようです。
- ４．痛いんでしょう? 痛いのは嫌！
- 痛くないといったらうそになりますが、病院で受ける採血で感じる痛みと比べると、インスリン注射のときの痛みは非常に軽いものです。
二型糖尿病でインスリン注射を始めるのは、食事療法・運動療法・薬物療法の効果が得られないと医師が判断した場合です。そういった意味で、インスリンが糖尿病の最終手段とも言われているのです。
人間誰でも、痛い思いはしたくないですが、インスリン注射を開始するのはそれだけの意味がある、つまり『糖尿病の治療にきちんと取り組みなさい。さもないと合併症が現れてきますよ。』という医師からのメッセージであると考えると、インスリン注射はできる限り始める必要があります。
インスリン製剤の種類
インスリン製剤は、日本でも複数のメーカーが作っており、様々な種類のインスリンがあります。外装（パッケージ）も注射方法も様々です。
一方で、効果の最も現れる時間帯でも薬剤は分類されています。
- 超速攻型 ３０分ほどでピークになり、持続時間は３〜５時間
- 速攻型 ２時間ほどでピークになり、持続時間は６時間程度
- 中間型 ４時間ほどでピークになり、持続時間は２４時間程
- 持効型 持続時間は２４〜２８時間
インスリン注射の実際
私が使用しているインスリン(1つのみを表示)
（←拡大するには画像をクリックしてください）
インスリン注射の手順（私が使用しているものの場合）
- インスリンの針を装着する
- 注射部位をアルコール綿で消毒する
- 試しうちをする（きちんとインスリンが出るかどうかの確認）
- ダイヤルを決められた量に合わせる
- 皮下脂肪を集めるようにつまみ、針を刺す。
- ボタンを押し込み、注射する。
- 針を抜き、アルコール綿で消毒する。
